短歌

短歌

夜ふけて

一日なぞる指の先やがてぬくもり胸にほどける
短歌

値札追い指で数える暮らしの脈

ほどいた指先夜にやわらぐ
短歌

理由なく沈むこころを

抱きしめて文字にこぼせば夜にほどける
短歌

ありがとう

そのひと言にほどけてく指先ふれる夜のやわらぎ
短歌

整えた

部屋の静けさ背に負って少し崩れる私を許す
短歌

将来を指折り数え夜更けまで

答えの代わりに肌を温める
短歌

忙しさの

すきまにほどく甘い夜指に残ったやさしい余韻
短歌

同じ朝同じ台所

湯気の中たまに乱れる心の奥で
短歌

暇でしょと笑われながら

鍋をかきふいに触れたい誰かのぬくみ
短歌

褒めてよと言えない夜に

皿を拭き指先だけがぬくもり欲しがる