短歌

短歌

冷えた部屋火照りを隠す夕暮れに

湯気へとほどく秘密の素肌
短歌

汗ひとつ頬を伝えば夜深まり

誰かのぬくみをそっと恋うる
短歌

溜め息と冷えた部屋にも熱はあり

誰にも見せぬ夜を抱きしむ
短歌

手を抜いて惣菜並べる宵の卓

やっと私に甘える夜が来る
短歌

夏の風家事を忘れて目を閉じる

誰にも見せぬ秘密の吐息
短歌

欲しいのは時でも金でもないのです

深く息するこころの余白
短歌

誰かのため

重ねる日々のその先に私のぬくみも息づいている
短歌

今日という一日終えて灯を消す

よくやったねと私が私に
短歌

立ち止まりほどいた髪に夜が触れ

また明日のため静かに満ちる
短歌

変わらない日々を重ねる指先に

誰にも見えぬぬくもり宿る